日本のカジノ:観光の目玉、それともギャンブルの温床?

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私たちの国、日本の文化は、あらゆる面で魅力的かつ豊かです。芸術、哲学、そして世間での振る舞い方の規則などは、そのほんの一部に過ぎません。私たち日本人は、勤勉、忍耐、規律、敬意といった価値を大事にしているとよく言われます。日本にギャンブルが登場した当時、全国的に広がるまでそう時間はかかりませんでした。賭ける対象を見つけることに関しては、限りない創造性が発揮されました。日本とギャンブルの関係は、強いものがあると言えます。筋金入りの街角賭博から、あらゆる種類の賭博禁止まで、日本においてギャンブルはいろいろな浮き沈みを経てきました。

ギャンブル依存

• 日本はギャンブルを違法化していますが、2017年の厚生省調査によると、日本には推定320万人のギャンブル依存症者がいるとされています。

• 無作為に選ばれた1万人の住民との対面インタビューでは、46.9%にあたる4,685人の回答が有効でしたが、3.6%が現在ギャンブル依存症、または人生のどこかの時点で依存症だったとされました。

• この3.6%という数字は世界的に見ても突出しており、そのまま比較はできませんが、オランダの1.9%、フランスの1.2%、スイスの1.1%という同様の統計結果を大きく上回っています。

• こうした人々が依存症に陥る最大の要因は、日本の法律ではギャンブルではなく娯楽として分類されているパチンコです。

• そのため、カジノの建設が日本のギャンブル依存症を更に悪化させるのではないかとという懸念が当然のように浮上します。

• 想定されている内容では、カジノへの訪問は週3回、月10回までに制限される見込みだと言われています。

観光地としての魅力

• 政府はIR施設を何よりもまず日本の観光業に資するものとして宣伝していました。

• 日本の豊かな自然、文化、歴史、伝統、料理を活かし、その魅力を最大限に引き出すことで、今までに例を見ないほど大規模かつ質の高いIR施設として、世界中から観光客が集まる競争力のある目玉になるといいます。

• カジノは、この目的に対してほとんど役に立たないかも知れません。外国人観光客へのアピールがどの程度なのか、疑問があります。

• ターゲットとする観光客は、韓国、中国、米国、イギリス、フランスを含むんでいる12の国および地域の住民です。日本旅行中ができたら訪れたい場所として、カジノが選ばれたのはわずか7%でした。なお、ショッピングモールは46%、ホテルは43%、テーマパークは40%となっています。

• また、複数の自治体や民間の調査によると、IR施設の訪問客に占める日本人の割合は、海外からの観光客よりも大幅に高くなると予測されています。

大阪府の試算によると、夢洲にもしIR施設ができれば訪れる可能性が高いとされる約1,300万人のうち、日本国内からの利用者は約72%に当たる938万人と圧倒的に多くなる見込みです。